2025年6月
この度、三戸大神宮手水舎にて、新たに四部作となるランプ2灯を奉納致しました。

四部作となります
作品名は「水の音灯」(みずのねのあかり)と名づけました。



清冽な水の調べ、涼しく流れるその音は、まるで心に響く色彩の旋律
人々の心に癒しと潤いをもたらす
幻想の灯に大正の浪漫が静かに息づく



「創作」
創作した作品、「水ノ音灯」(みずのねのあかり)はステンドグラス、鉄装飾と銅装飾を融合させた雅なステンドグラスランプをデザインいたしました。



灯りを吊るす鉄装飾には、永遠に続く生命の象徴たる唐草と子孫繁栄、無病息災を願い菱文様に込められ、また榊の葉の隙部分もとりいれています。
(鉄装飾H215mm × W105mm × D180mm × 2 )鉄(佐藤職人)



ステンドグラスランプは見る角度により菱形にも見えます(上部に五角形4面、下部8面)ガラスには白、黄色、青、緑、などの色が入っているモトル系のガラスを使用しており、千変万化の色の組み合わせはまるで水が奏でる様々な音色のようです。
灯りの下には、銅装飾が施され渦を巻く「水の流れ」の躍動感を表現していま
す。(ランプ、H 280mm × W200mm × D200mm × 2灯(銅装飾含)

大正の時代を彷彿させる趣のあるデザインは灯りに宿る魂そのものと言えるでしょう。



手水舎に新たに「水ノ音灯」(みずのねのあかり)が生まれ、大正浪漫という物語
の1頁に刻むことができましたことを大変嬉しく思っております。



水は生命の源であり、身を清め、心を浄化し、神秘なる力を秘めております。
以前奉納いたしました結々(ゆい)の物語の中にも清らかな「水の流れ」が登場しておりますが、 「水ノ音灯」(みずのねのあかり)の作品はあたかもその物語の一部として刻まれる事が宿命として導かれているように強く思えてなりません。

西洋の技術であるステンドグラスで日本の悠久なる歴史と文化、そして究極の和の美しさを表現できたのは神々が鎮座する神社という神聖な場所だからこそ、成し遂げられた奇跡だと思っております。
それぞれの作品が持つ物語と意味を知る事で訪れる人々はより深くその美しさを
感じ取ることができると思います。
大正浪漫という尽きることなき
物語は、これからも悠々と紡がれてゆくことと思います。
その完結は遥か彼方にあるのかも
しれません...

「水の音灯」(みずのねのあかり)がまた多くの人々の心に清らかな響きと大正浪漫の灯を届け続けることを願っております。

        デザイン、構成、創作
    ステンドグラス作家  高橋優子